いま、コーヒーの健康効果が世間の注目の的となっています。
そこで、これから時折りコーヒーに含まれている
注目成分のクロロゲン酸やニコチン酸などの
取り方についての情報を書いていきたいと思います。
今年、東京大学と国立がん研究センターなどの研究チームが
コーヒーを飲む習慣のある人は、心臓病や脳卒中などの
死亡リスクが低下するという疫学調査の結果を発表。
同調査では、コーヒーのクロロゲン酸やカフェインを取り込むことで
体にいい影響を及ぼすと推測しているとのことです。
これまでにも海外の疫学調査では
1日3~4杯のコーヒーを飲むことで、
がん予防や糖尿病の改善に役立つと発表されていましたが
今回のように、日本国内の研究機関が大掛かりな
調査結果を発表したのは初めてだということです。
しかし、全てのコーヒーにクロロゲン酸が多く含まれると言う訳ではなく
どんな種類のコーヒーの選び方によって、健康効果が違ってきますので
選び方には気をつけて選別した方がいいですね。
コーヒーに含まれる注目成分の一つであるクロロゲン酸は
ポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があります。
特に、私たちの血糖値を改善して、血圧を安定のする
作用が期待されています。
その他にも、クロロゲン酸の代謝酵素は、
女性ホルモンの代表格のエストロゲンと同じである事が判明しています。
クロロゲン酸とエストロゲンは同じ代謝酵素を競合するために
結果的には、エストロゲンが代謝されにくくなり
血中のエストロゲン濃度が上がるという良い影響を及ぼします。
そのために、こーひーによる血糖値安定などの現象は
男性よりも女性のほうがよりはっきりと現れます。
クロロゲン酸は、生豆に多く含まれ、
焙煎して熱を加える事で失われやすいです。
焙煎を開始して最初のハゼ音が終わった浅煎りの段階で
含有量が半分程度までに減りますので、クロロゲン酸をたくさん
摂取されたい方は、浅煎り焙煎したコーヒー豆を飲んだほうが良いです。
反対に、焙煎する事で生じる健康成分という物もあります。
生豆に含まれるトリゴネリンは、焙煎熱によりニコチン酸と
N-メチルピリジニウムイオンなどに分解されます。
特にN-メチルピリジニウムイオンは焙煎するほど含有量が増え
ハイローストなら1杯に10mg程度含有し、数杯飲めば
薬理学的に意味のある量に達します。
ニコチン酸はビタミンB群に属し、高脂血症の治療薬となる
成分に変わっていきます。
善玉といわれるHDLコレストロールを増やす作用もあります。
N-メチルピリジニウムイオンは副交感神経を刺激して
気分を和らげ、大腸の煽動運動を亢進させます。
海外ではカフェインとN-メチルピリジニウムイオンとの
相乗効果が注目されており、がん予防や、アルツハイマーの進行を
遅らせるという研究発表もあります。
結論から言うと、浅煎りと深煎りどちらにも体に良い成分が
含まれているので、1日両方飲んだほうが理想的なのです。
次に抽出方法ですが、ペーパーやネルのハンドドリップが
お勧めの方法となります。
コーヒー豆にはコーヒー・ジテルペンという物質が含まれ
その成分がコレストロールの分解を阻害します。
水やお湯には溶けないので、抽出されたコーヒーには含まれませんが
粉が入ったり煮出ししたりする抽出法だと、高脂血症のリスクが上がります。
また、飲みすぎるとかえって逆効果ということも分かっています。
コーヒーがどんなに好きでも、1日3~4杯が理想的な量でしょう。